平成20年10月27日、兵庫県淡路市にある関西看護医療大学で、小林祖承延暦寺副執行が「一隅を照らす」と題して講演し、教職員と学生併せて約100名が参加した。
この講演は、同大学の「平成20年度第2回ファカルティ・ディベロップメント(教員の授業内容や教育方法などの改善・向上を目的とした組織的な取組み)委員会研修会」として行われたもの。同大学は平成20年4月に淡路市との公私協力方式により、淡路島唯一の4年生大学として開学し、「一隅を照らす」を建学の精神としている。
講演で、小林副執行は「一隅を照らす」について、わかりやすく説明され「一隅を照らす精神は、皆さんがこれから歩んでいく看護の世界にも通じるものです。人は他人の痛みには鈍感で、知らず知らずに人を傷つけることもありますが、他人の痛みがわかる人になってください」と話され、学生たちからは真剣に聞き入っている様子がうかがえた。
平成20年10月18日、滋賀教区本部(長山慈信教区本部長)では、近江八幡市の近江八幡市文化会館において、一隅を照らす運動推進滋賀大会が開催され、約250名が集った。
「今、もう一歩踏み出そう」をテーマに行われた大会は、長山教区本部長導師の法楽後、吉田慈敬師による「運動に思いを馳せる・・・運動がめざすもの」と題した講演があり、師は、故山田座主の提唱された「六念」こそ運動がめざすものだとされ、聴衆に解りやすく話された。
講演の後、檀信徒会長より、踏み出す一歩として、菩提寺に菩提樹と沙羅の植樹をする提案がされ、全支部に所長直筆の「一隅を照らす木」の木札が配られた。
また、「和みのひととき」として、作曲家の野條叡信師による仏教カンタータの演奏があり、最後に募金の寄託が行われ、この日寄せられた浄財144,931円が地球救援募金に寄託された。
三岐教区本部(宇野光道教区本部長)では、平成20年9月15日、岐阜市の不動院不動閣において、一隅を照らす運動推進三岐大会を開催し、約200名の檀信徒が集った。
第一部では、宇野教区本部長のお導師のもと、教区内寺院住職15名の出仕による法要が厳かに営まれた。
法要後、北嶺大行満大阿闍梨・光永覚道師が「人と仏との結びつき」と題した法話を行い「人生には、いいことがあれば苦労もあり、苦労があれば、いいこともある。苦労は背負って歩くと重いが、身につけると軽いもの。どのように心がけるかが大切なのです」と説かれた。
第二部では、不動院の信徒2名による滝打水行の後、光永大阿闍梨が、参加者らが願い事を寄せた護摩木の護摩供を修し、ご祈祷された。
最後に、光永大阿闍梨から参加者へ力のこもったご加持があり、一人一人が真摯に有り難さを噛み締めている様子であった。
宇野本部長は、大会を寺門興隆の良い機会と位置づけ、教区内の寺院を会場に開催している。
一隅を照らす運動公開講座(主催:一隅を照らす運動総本部)が平成20年9月4日に天台宗務庁(大津市坂本)で開催された。第8回となるこの度の公開講座では無着成恭師(元全国こども電話相談室回答者)を迎え、一般市民など約150名の参加者があった。
無着先生は、「人は誰でも多様の欲望を持つが、一隅を照らす運動を実践する事で、欲望を戒め人格形成につながる」「人間は他の動物と違い、子どもを生んでからの親の人生は長く、成熟するのも遅いのだから、経験豊富な祖父母が家庭教育に積極的に携わるべき」など82才とは想像できない、活気に満ちた説明され、またユーモアを混ぜながら分かりやすく話された。 (第1部・講演)
次いで、「無着先生おとなの相談室」と題して、先生に質問の時間が持たれ、参加者からの質問に対してお答えになり、無着先生は、「不登校の生徒には、無理に登校させるのではなく、家庭で掃除や食事作法などを学習する事も大切」など話された。 (第二部・対談)
一隅を照らす運動総本部では、5月2日から3日に起こったミャンマー・サイクロン被害と、5月12日に発生した中国・四川大地震の被災者支援のため、宗内各寺院教会や一般の方々に緊急募金をお願いしましたところ、お陰様で約2,089万円の浄財をいただきました。
お寄せいただいた浄財の寄託先としては、シャンティ国際ボランティア会(SVA)、日本赤十字社、ミンガラーバー地涌の会、アジア医師連絡協議会(AMDA)、日本ユニセフ協会、仏教NGOネットワークに寄託いたしました。厚く御礼申し上げます。
この中で、秋吉文隆一隅を照らす運動総本部長は、平成20年7月30日、東京都内のSVAと日本赤十字社を訪問し、SVAにミャンマー・サイクロン被害義援金として300万円、日本赤十字社にミャンマー・サイクロン被害義援金として300万円、中国・四川大地震義援金として700万円を寄託した。
日本赤十字社では、勝村秀樹組織推進部長と面談し「義援金はぜひ、被災者のために直接役立つ使い方をしてほしい」と、災害後の生活に困っている被災者への支援を願った。これに対し、勝村部長は「被災者のために十分に活用させていただきます」と話された。
また、SVAでは、茅野俊幸専務理事、緊急救援の担当者と面談。担当者からサイクロン災害直後の状況や被災者の現状などについて説明を受けた。
さらに、平成20年8月1日には、岡山市内のAMDAを訪れ、ミャンマー・サイクロン被害と中国・四川大地震義援金に、それぞれ100万円を菅波茂AMDA理事長に手渡した。
贈呈後の談話で、現地の現況と活動報告を聞いた総本部長は、「被災した方々へ継続的な支援活動をお願いしたい」と話した。
なお、その他、ミャンマーの復興支援として九州東教区・宮下亮善南泉院住職が主宰するNGOミンガラーバー地涌の会に300万円、中国には日本ユニセフ協会、仏教NGOネットワークに100万円の浄財を寄託している。
第7回「心のつどいin比叡山」(一隅を照らす運動総本部主催)を比叡山延暦寺会館で開催。7月14日、15日の一泊二日に亘り、一般公募で募った男女27名が参加した。
先ず開講式では、秋吉文隆一隅を照らす運動総本部長お導師による法楽があり、次にオリエンテーション・坐禅止観などの説明があった。
研修会では、「篭山行について」と題し、高川慈照師(延暦寺一山最乗院住職)による法話があり、高川師は「合理化・効率化優先の現代社会において、あれこれ不平不満を言わずに一瞬一瞬に全力をあげることが大切」と説かれた。
夕食後、「自己再発見の時」をテーマに久米邦子先生(神戸市立体育館・公民館インストラクター)による講演が行われた。童謡に合わせて日頃使わない筋肉のストレッチ体操を行ない、次の体操に移るごとにユーモアを混じえながら話された。
翌日は、早朝5時起床後、研修生は根本中堂に入り、坐禅止観の実修。その後、書院境内の清掃、延暦寺会館でのお写経に、それぞれが熱心に取り組んでいた。
参加者の多くが初体験の様子で、ある研修生は「比叡山という特別な場所で講話を聞いたり、自分と向きあったり、日頃のあわただしい日々を少し止めて今の自分を確認できる貴重な体験をさせていただき感謝いたします。」と感想を述べ、又ある研修生は「今後、人の事を良く理解して人によろこばれる事をやる様にがんばりたい。」と語っていた。