一隅を照らす運動公開講座(主催:一隅を照らす運動総本部)が平成20年9月4日に天台宗務庁(大津市坂本)で開催された。第8回となるこの度の公開講座では無着成恭師(元全国こども電話相談室回答者)を迎え、一般市民など約150名の参加者があった。
無着先生は、「人は誰でも多様の欲望を持つが、一隅を照らす運動を実践する事で、欲望を戒め人格形成につながる」「人間は他の動物と違い、子どもを生んでからの親の人生は長く、成熟するのも遅いのだから、経験豊富な祖父母が家庭教育に積極的に携わるべき」など82才とは想像できない、活気に満ちた説明され、またユーモアを混ぜながら分かりやすく話された。 (第1部・講演)
次いで、「無着先生おとなの相談室」と題して、先生に質問の時間が持たれ、参加者からの質問に対してお答えになり、無着先生は、「不登校の生徒には、無理に登校させるのではなく、家庭で掃除や食事作法などを学習する事も大切」など話された。 (第二部・対談)
第7回「心のつどいin比叡山」(一隅を照らす運動総本部主催)を比叡山延暦寺会館で開催。7月14日、15日の一泊二日に亘り、一般公募で募った男女27名が参加した。
先ず開講式では、秋吉文隆一隅を照らす運動総本部長お導師による法楽があり、次にオリエンテーション・坐禅止観などの説明があった。
研修会では、「篭山行について」と題し、高川慈照師(延暦寺一山最乗院住職)による法話があり、高川師は「合理化・効率化優先の現代社会において、あれこれ不平不満を言わずに一瞬一瞬に全力をあげることが大切」と説かれた。
夕食後、「自己再発見の時」をテーマに久米邦子先生(神戸市立体育館・公民館インストラクター)による講演が行われた。童謡に合わせて日頃使わない筋肉のストレッチ体操を行ない、次の体操に移るごとにユーモアを混じえながら話された。
翌日は、早朝5時起床後、研修生は根本中堂に入り、坐禅止観の実修。その後、書院境内の清掃、延暦寺会館でのお写経に、それぞれが熱心に取り組んでいた。
参加者の多くが初体験の様子で、ある研修生は「比叡山という特別な場所で講話を聞いたり、自分と向きあったり、日頃のあわただしい日々を少し止めて今の自分を確認できる貴重な体験をさせていただき感謝いたします。」と感想を述べ、又ある研修生は「今後、人の事を良く理解して人によろこばれる事をやる様にがんばりたい。」と語っていた。
平成20年6月13日、神奈川教区本部(溝江光運教区本部長)では、一隅を照らす運動神奈川川崎大会を川崎市高津市民館を会場に開催、約600名の参加者が集った。
第一部では、溝江教区本部長を導師に参加者全員での法楽、福聚教会による御詠歌、詠舞が行われた。その後、同教区布教師会副会長・浮岳堯仁師の「一隅を照らす運動のすすめ」と題した法話があった。
第二部では、作家・青木新門氏による「いのちのバトンタッチ」と題した講演があり、青木氏のわかりやすいお話しに参加者は聞き入っていた。
また、第三部では、溝江教区本部長が、高津区社会福祉協議会と一隅を照らす運動総本部に本大会で集められた募金を贈呈。総本部には、地球救援募金として544,607円が、ミャンマー・サイクロン災害と中国・四川大地震の義援金として270,728円が寄託された。
信越教区本部(大澤祐仁教区本部長)では、6月13日に長野県飯田市の大願寺(鷲山芳照支部長)を会場に信越教区本部大会を約100名が参加し開催した。
第1部では、大澤本部長導師の法楽の後、総本部をはじめ来賓の方が祝辞を述べ、続いて信越教区伊那部の檀信徒総代会会長が、「生命」「奉仕」「共生」の3つの柱を「運動推進の誓い」として参加者全員と唱和した。
第2部では、天台宗群馬教区妙見寺住職の小川晃豊師を講師に迎え「いまこそご先祖さまの供養を」と題した講演が行われた。身近に出来ることは「先祖を大事にすること」「それには先ず我々が形に現すことです」と講演。
最後に、本大会参加者からの浄財が、鷲山支部長から総本部にミャンマーと中国四川の義援金として75,582円が手渡された。
東京教区本部(寺本亮洞教区本部長)は、平成20年6月7日、東京都千代田区「九段会館・大ホール」を会場に、第39回東京教区本部一隅を照らす運動推進大会を開催。今回の大会には、約1,000名が集った。
まず開会式では、寺本教区本部長による主催者挨拶、次に秋吉文隆総本部長の来賓挨拶があった。
第1部では、雅楽をともなった天台声明講演・神田秀順大僧正を御導師のもと教区によるおつとめ・和讃奉詠などがあり、杜多道雄前教区本部長による「一隅運動のすすめ」と題したお話があった。
第2部では、ライフミッショナリー(命の大切さを伝える人)白井のり子先生が、「今を生きる」-命って素晴らしい-と題した講演をされ、自らのサリドマイド被害者体験を通じて「真のバリアフリー実現には、障害者と決めつけて手を差し伸べるのではなく、相手の事を認め声をかける事が大切」と語られ、来場者からは感動した表情がうかがえた。
埼玉教区本部(吉田亮照教区本部長)では、平成20年4月29日、埼玉県上尾市文化センターを会場に、第42回埼玉教区本部一隅を照らす運動推進大会を開催。今回の大会には、各支部から約600名の檀信徒が集った。
第1部では、叡山講福聚教会埼玉本部による御詠歌と、「天台宗在家勤行儀」を用いた参加者全員での法楽の後、秋吉文隆一隅を照らす運動総本部長より、一隅を照らす運動を長年実践されている3名の檀信徒の表彰があった。
第2部では、作家の青木新門氏が「いのちのバトンタッチ」と題し講演。青木氏は、自分の近親者が亡くなった時のことを例に挙げて、『先に死ぬ人がありがとうと言えば、残った人もありがとうと応える。そうやって優しい言葉を掛けることが、一隅を照らすことなのではないでしょうか』と、大変分かりやすく話され、参加者はじっくりと講演を聞き入っていた。
大会の最後に、埼玉教区本部内の各支部が実施した歳末募金である慈愛募金の中の200万円と、当日会場で集められた浄財339,225円が、地球救援募金として秋吉総本部長に寄託された。
また、埼玉教区本部は、地球救援募金に毎年多額の浄財を寄託されていることから、総本部を代表して、秋吉総本部長が吉田教区本部長に感謝状を手渡した。
群馬教区本部(藤井祐順教区本部長)では、 3月3日・4日の両日、渋川市の「ホテル木暮」を会場に、平成19年度群馬教区「一隅を照らす運動」年次大会を開催、教区内寺院住職、檀信徒合わせて450名が参加した。
大会では、秋吉文隆一隅を照らす運動総本部長と、山本光賢延暦寺教化部長による講演が行われた。秋吉部長は、「一隅を照らす運動の現況について」と題し、大スクリーンに中国内モンゴル自治区での植林活動や中越沖地震被災地の写真を映して総本部の活動を紹介した。また、山本部長は「開宗千二百年について」と題し、参拝部長時代の総登山・総授戒に伴う延暦寺会館建設の苦労話など経験談を交えた講話があった。当日、大会で集まった浄財 金189,905円が、地球救援事務局に寄託された。
去る、11月1日、天台宗務庁大会議室において、一隅を照らす運動第7回公開講座が「いのちの大切さ-『生と死を考える授業』の取り組み-」をテーマに開催され、約120名が参加した。
開会にあたり、一隅を照らす運動の精神である伝教大師のお言葉「山家学生式」を、参加者全員で唱和し、その後、秋吉文隆一隅を照らす運動総本部長が挨拶した。
第1部では、『生と死を考える授業』に取り組んでいる、佐賀県多久市立東部中学校養護教諭の白浜洋子氏が講演した(きらめき第10号で紹介)。講演で白浜先生は、「教育の目指すところは、生き続けることを教えることではないか。子どもたちが生きる力をつけることが大切」と訴えた。『生と死を考える授業』では、生徒たちにホスピス病棟を訪問させたり、「自分の余命が3ヶ月だったら」など、いろいろなテーマで討論会等を実施しており、聴衆はその具体的な取り組みに感動した様子で、参加した近隣学校の教諭からは「自分たちの学校でも、こうした取り組みをしてみたい」といった声も聞かれた。
第2部では、白浜先生を囲んで質疑応答が行われた。参加者から多数の質問が寄せられ、白浜先生は授業を通し、子どもたちが思いやりを持ち、他人に優しくなるまで何度も葛藤し、試行錯誤を重ねたことも披露し、質問に答えていた。
引き続き、一隅を照らす運動総本部が地球救援活動の一環として支援している、NPO法人「草原の風」事務局の佐々木勲氏が、内モンゴル地区の緑化・植林活動について説明、現地の環境悪化の状況や様々ないのちを育む緑地喪失を阻む活動の必要性を訴えた。また、佐々木ハスゲレル夫人による、モンゴル民族楽器の演奏が行われ、馬頭琴など普段あまり聴くことのない楽器演奏に、参加者は熱心に耳を傾けていた。
公開講座終了後のアンケートでは、「毎年参加している。毎回テーマや内容が異なり充実した講演などがあり、今後も参加したい」「自分たちの身近なところから、できることをはじめたい」「一隅を照らす運動の活動に期待している」などの声が寄せられた。秋吉総本部長は「僧侶だけではなく、地域や家庭もそろって、いのちを大切にする明るい社会を築かなければならない」と語った。