お写経は、誰でも取り組むことができる身近な実践行で、仏の教えを信奉する人々の浄い行いです。
『法句経』(ほっくきょう)というお経があり、お釈迦様のお言葉として次の一節があります。
こころしずかなり。
語(ことば)おだやかなり。
行ないもゆるやかなり。
この人こそ正しきさとりを得、
身と心の安らぎを得たる人なり。
私たちは普段の生活の中で、大なり小なりいろいろな迷いに悩まされたり、孤独感や不安な気持ちに見舞われることがあります。一方、貪(むさぼ)りの心を起こしてしまったり、物事を自己中心的に考えてしまったり、わがままな心が生じる要因ともなりかねません。こういった心のわだかまりから解放されることは、前向きで健康的な生活のために、とても大切なことではないでしょうか。
一隅を照らす運動では、心のとらわれを和らげ、自己を謙虚に見つめ直し、心身のバランスを保つための実践として「お写経」をおすすめし、「百万巻写経運動」を推進しています。
心を落ち着かせて一字一字に願いを込めながら、お写経に取り組んでみてはいかがですか? 一字一句、丁寧に心を込めて浄書すれば、心身を集中させ、雑念を払い、やがて心の安らぎを得ることでしょう。また、豊かな人格形成や信仰心を育むためにも、有効な実践修行といえます。
一隅を照らす運動総本部では次の3種類の写経用紙を用意しています。
「七仏通戒偈」と「円頓章」が1枚の写経用紙になっているもので、一隅を照らす運動オリジナルです。蓮台の上に一字一仏を造る心で経文を浄書する「一字蓮台写経」というスタイルになっています。
伝教大師最澄の遺された「山家学生式」です。薄刷りの文字をなぞり書きしていただくスタイルとなっています。「山家学生式」についてはこちらをご覧ください。
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写経用紙をご希望の方は一隅を照らす運動総本部へお問い合わせ、お申し込みください。
一隅を照らす運動のお写経は
比叡山の法華総持院東塔へおさめられる
願いを込めて浄書されたお写経は、「百万巻写経」として比叡山延暦寺の法華総持院東塔に奉安させていただきます。また納経料は1000円(1巻)です。
浄書されたお写経は納経料を添えて一隅を照らす運動総本部へお送り下さい。なお、菩提寺が天台宗寺院の方は菩提寺へお持ち下さい。
皆様からの写経志納金の一部は一隅を照らす運動の活動資金や救援活動に当てられています。あなたの写経への真心が功徳になって世界の子どもたちを救うことに繋がります。
仏道の実践にはいろいろありますが、中でも、お経を書き写すことは最も功徳の大きな行いの一つです。お写経によって自分自身の心(仏性)を磨き、より仏さまを念じて身近に感じることができます。
また、お写経は自らの信仰を深めるだけでなく、経文の功徳によって、ご先祖様のご供養や、私たちの平和や安心(あんじん)、所願成就を願い、そして祈る意義もあります。『法華経』法師品の中に「経を受持し、読み、誦し、解説し、書写す…善く菩薩の道を行ず…大願を成就す」と説かれており、これを五種法師といいます。
受持とは、み仏の心を受け入れ、信じたことを持ち続け、経文に接すること。読とは、お経を見ながら読むこと。誦とは、経文を見ないで空んじて(暗記して)読むこと。解説とは、人のために経文の意味を説明すること。書写とは、筆で経文を一字一字丁寧に書き写すこと。
慈覚大師円仁(794~864)
さて、比叡山の慈覚大師円仁さま(794~864)が天長年間(824~832)に、『法華経』の五種法師を取り入れて『法華経』を書写し、横川の根本如法堂に安置したといわれています。大正12年(1923年)、如法堂跡に塔を再建するための工事中に経箱が発掘されました。銅製の箱に金メッキが施され、蓋には『妙法蓮華経』と書かれており、この箱は後に「金銅経筥」として国宝に指定されます。
現在では再建された「根本如法塔」が慈覚大師のお徳を表すかのようにたたずんでいます。お写経によって心の眼を開くことを説かれた慈覚大師の浄行にならって『法華経』を写す「如法写経」は、連綿と比叡山に受け継がれて今日に至ります。
昔からお経は読むだけでも功徳があり、読誦すればより大きな功徳が、さらにお経を一文字一文字心から書写することは、より一層の功徳があるとされてきました。これはお写経というものが、自らが仏様に接し、仏教をいつまでも伝えようとする尊い行いですから、大願成就につながると、限りないお写経の功徳が説かれているのです。
お写経に関してはお気軽に一隅を照らす運動総本部までお願いします。
≪お問い合わせ&お申し込み≫ 一隅を照らす運動総本部
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